Tuesday, 20 December 2011

Design's deepening love affair with paper


Candida Balfour wrote about my work in her column
in Financial Time Web-magazine 'how to spend it'.





イギリス Financial Times の ウェブマガジン「how to spend it」内のコラムで、
私の作品が取りあげられています。
折角なので、翻訳してみました。



ライター:Candida Balfour(翻訳/松下裕子) 


先週、クリスマス前のドタバタのなか、私はデザイン業界における「紙に魅了された作品」について調べていました。ここ数年のペーパーデザインの盛り上がりは、ずっと私の頭の片隅で気になっており、私にとっては(おそらく他の人達にとっても)、このブームは英国人アーティスト Rob Ryan の魔法のような切り絵とスクリーンプリントを目にしたときから始まったのだと思います。青い空や楽しげな鳥、ジングルベル、そしてハッピーエンディングの待つ世界を信じる、私の中の子どもの部分に彼の作品は話しかけてくるのです。


そして先月、V&Aミュージアムに赴いた私はショップ内で、紙でできた網のような素晴らしい器に出会いました。通常私が惹かれるものよりもずっとずっと科学的なその器は、限りなく緻密で、思うように形を変えられ、さらには見る角度によって違った印象を与えます。シンプルで、モダンな北欧デザインのインテリアに、まさにうってつけだと思いました。


今年の夏の終わりには、私がチョコレートのお店を出したアートイベントで、松下裕子(Hiroko Matsushita)という素敵なペーパーアーティストに出会いました。洗練されたカットと淡い影を融合させ、限りなく細かくうっとりとするような作品を彼女は作ります。私が今まで見たことのないようなユニークなカードや、クラッカーなどです。ロマンティックな言葉の切り絵が入った小さな箱のひとつには、表に「I am...」とあり、中には「Happy with you」という言葉が中で読まれる時を待っています。Rob Ryanの特徴的なシルエットデザインを越え、彼女の作品には奥行きがあり、ますます複雑化するペーパーデザインを見事に代表していると言えるでしょう。


ネット上では、Upon A Fold というオーストラリアのウェブサイトに私はずっと何時間も釘付けになっています。地球儀からコースター、ミニチュアの木、紙ナプキン、果ては紙でできたハンバーガーまで、ありとあらゆる商品をこのサイトでは扱っています。今年の11月には、大成功を収めた初の紙のフェスティバル「Cut. Slice. Fold」がメルボルンで開催され、ペーパーアートに関しては、実際のところ向こうの方が先を行っているようです。


かくして、今はどこにいてもユニークで綺麗な紙でできた作品を探さずにはいられません。紙は最も慎ましやかで、サスティナブル且つリサイクル可能な素材です。どんな形にあっても、紙は目新しくてワクワクするような道をデザインにひらいてくれ、なんといっても、地球にも優しいのです。 


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Candida Balfour /フリーランスジャーナリスト
Financial Times, Evening Standard などにグローバルトレンドについての記事を寄稿。
ウェブサイトNestify を運営する傍ら、時折、お菓子の移動販売を行う。